恋人たちの聖地としても名高く、土日はカップルやドライブ・ツーリング目的の観光客で賑わいを見せる美浜町・野間埼灯台。そんな野間埼灯台前広場になんとキッチンカーが出現!
一体どんなキッチンカーが出店しているのか、今回の記事ではその様子をレポートする。
野間埼灯台前広場にキッチンカーが突如出現!?
天気は快晴、絶好のドライブ日和の土曜日の昼下がり。国道247号線を南下し、美浜町・冨具崎港のS字カーブを曲がると、視界は一変する。
それまでの古き良き街並みから打って変わって、眼前には、眩しい日差しが反射する青一色の伊勢湾の眺望が広がり、美浜町から南知多町内海方面へとつながる海岸沿いの道路が続いていく。
道なりに進み、ウッドデザインパーク野間を越えると前方右手に上品にたたずむ真っ白な灯台が現れる。それが愛知県最古の灯台・野間埼灯台だ。
野間埼灯台は1921年に設置され、人間で言えば100歳を超えた今もなお、変わらず伊勢湾を見守り続けている。
現在ではその景観を楽しむスポットとして人気があり、ドライブ・ツーリング・サイクリングの途中で立ち寄る人も多い。また、ロマンチックな風景や「絆の音色」というモニュメントに南京錠をかけると恋愛が成就するというジンクスから、多くのカップルが訪れる人気のデートスポットでもある。
この日も、野間埼灯台周辺は多くの人手で賑わっていた。
水辺で遊ぶファミリーやベンチで休憩するカップル、愛車と灯台との写真を撮っているライダーやサイクリスト、日本旅行に来ている訪日外国人旅行者も。そのほかにも、この日はウェディングドレスとタキシード姿で結婚式の前撮りを行っているカップルも多かった。
そんな灯台前広場に、ピンク色をした可愛らしいキッチンカーが停まっている。それが2024年8月24日(土)から出店を開始したキッチンカー・CoCo tacosだ。
現代版灯台守が手がけるキッチンカー CoCo tacos
キッチンカー・Coco tacosを手がけるのは現代版灯台守として活動をしている佐々木美佳(ささき みか)さん。佐々木さんはパートナーの仙敷裕也(せんしき ゆうや)さんとともに、2023年11月から活動を開始している。
現代版灯台守は、海の安全を守る灯台守になぞらえて任命された、野間埼灯台と美浜町を盛り上げていくためにさまざまな活動に取り組む地域おこし隊だ。ふたりは、就任以降「mihamaふれあいまつり」等への地域のイベントへの出演や、野間埼灯台の一般公開日への参加を行っているほか、さまざまな新事業に挑戦している。
「ウェディングの前撮り撮影の仕事で誰よりも訪れている野間埼灯台にもっと貢献したいという思いがありました。野間埼灯台で過ごす時間をより素敵な思い出にしてほしいと思い、今回の募集に応募したんです。野間埼灯台にもっと多くの方に来てほしいし、また戻ってきてくれる場所にしたいですね」。
そう語る仙敷さんはプロのカメラマン。仕事で週に何度も訪れていたこの場所にもっと貢献したいと思ったことが、現代版灯台守への応募のきっかけだそうだ。
そして仙敷さんは自身の技術を活かし、灯台に登って撮影ができる野間灯台公式ウェディング事業を行っている。
そして佐々木さんもまた、今回新たにキッチンカー出店の事業を開始した。
「もともと会社員としてずっと勤めていました。しかし、いつか自身の手で新規の事業をやってみたいという思いがあったんです」。
佐々木さんは、それまで勤めていた会社を2023年10月末で退職する予定だったそうだ。退職直前の10月初旬に仙敷さんから現代版灯台守募集の話を聞いた佐々木さんは、10月末までという短い募集期間ではあったものの、新規事業を応援するという現代版灯台守募集への挑戦を決めたのだという。
「仙敷さんとお互いタイミングとやりたいことがマッチして、すぐにやってみようということになったんです」。
佐々木さんは学生時代にスペインバルなど系列の複数の飲食店でのアルバイトの経験があった。そこでの経験から、野間埼灯台前広場にキッチンカーを出店したいと考えたそうだ。
手作りで完成させたキッチンカーでドリンクやタコスを提供
8月24日に晴れて灯台前広場にお見えしたキッチンカー CoCo tacos。出店までの準備にもさまざまな苦労があったそうだ。
現代版灯台守としての活動を行いながら、出店準備を進める中で、キッチンカーの外装の塗装にも自らの手で着手した。
「熱中症で倒れるんじゃないかってほど暑かったです(笑)」。
キッチンカーの塗装には2人で5日間を費やした。はじめのうちは屋根のない場所で作業を行っていたそうだが、それを見かねた観光協会の職員が屋根のある場所を提供してくれたのだという。スムーズに作業が行えるようになり、また、地域の人が手伝ってくれ、なんとかキッチンカーが完成した。
「地域の皆さんの協力で完成したキッチンカーです。この車も、元々はビアシティ南知多から購入したものなので、美浜を中心とした知多半島の皆さんの手でできあがったキッチンカーなんです」。
そんな「知多半島産のキッチンカー」 CoCo tacosでは、現在週に4日ほど灯台前広場に出店してドリンクの提供を行っている。アルコール / ノンアルコール両方のドリンクを提供しており、中でも自慢の「生搾りオレンジ&マンゴー」が人気。今後はオリジナルドリンクのメニューも増やしていく予定とのことだ。
まだまだ厳しい残暑が続く9月、灯台前広場には、ドリンクを買い求めてベンチで涼をとるカップルの姿も見られた。
また、9月15日(日)からはいよいよ待望のタコス販売がスタートする予定だ。
タコスはプルドポークに自家製サルサ(トマト・玉ねぎ)にパクチーをあしらった本格的なメキシカンタコスと、ひき肉と自家製サルサソースにレタスとパクチーでいただくひき肉タコスの2種。
晴れた昼下がり、海と空を眺めながら楽しむタコスとドリンクは至福のひとときだ。
週末の家族や恋人、仲間と過ごすチルタイムはキッチンカー CoCo tacosと野間埼灯台で決まり!
知多半島へお越しの際はぜひ、美浜町・野間埼灯台で海を眺めながら最高の休日を過ごそう。
9/15(日)から販売開始するタコスはメキシカンタコスとひき肉タコスの2種類!
9月15日(日)から販売を開始するタコスはメキシカンタコスとひき肉タコスの2種類。パクチーはありとなしを選ぶことができる。価格はどちらも400円とお手頃な価格なので、両方味わうもよし、カップルでひとつずつシェアするもよしだ。
メキシカンタコス
メキシカンタコスはプルドポークに自家製サルサ(トマト・玉ねぎ)にパクチーつき。塩船「美浜の塩」をふりかける食べ方がおすすめ。ライム、美浜の自然海水塩、プルドポーク、自家製サルサ、トルティーヤのハーモニーは絶品。あっさりとしているので、いくつでも食べられる。
ひき肉タコス
ひき肉タコスはひき肉と自家製サルサソースにレタスにパクチーつき。ひき肉の旨味とサルサソースの相性は◎ タバスコとライムを振りかければ至福のひととき。ビールとの相性も抜群。
灯台前広場で出店するキッチンカーを募集中! 「大坊の楽市」の復活開催も企画中!?
現在灯台前広場では、現代版灯台守と一緒に出店してくれるキッチンカーを募集中。キッチンカーの出店はどの時期でも出店することが可能とのことなので興味のある方はぜひ問い合わせてみて。みんなで野間埼灯台と美浜町を盛り上げよう!
また、現代版灯台守のふたりがイベント「大坊の楽市」の復活開催を企画中とのこと。「大坊の楽市」は知多半島の「食べる」「買う」「体験する」といったさまざまな魅力が凝縮されたイベントで、新型コロナウィルス感染症の流行により延期となって以降、開催目処が経っていなかったそうだ。
近日中に情報が発表予定とのことなので、楽しみにお待ちあれ!
灯台広場出店者募集 問い合わせはこちら
大坊の楽市
「大坊の楽市」は、大御堂寺 野間大坊で定期的に開催されていた「訪れる人」と「提供する人」をつなぎ、みんなが笑顔になる市場。
「食べる」「買う」「体験する」、知多半島のローカルな魅力が集まった空間に、多くの人が集まり賑わいを見せていた。
新型コロナウイルス感染症流行の影響により開催が見送られており、以後の開催が未定となっていたが、この度現代版灯台守の2人が復活開催を企画している。
大御堂寺 野間大坊
名称 :大御堂寺 野間大坊
住所 :〒470-3235
知多郡美浜町野間東畠50
駐車場:有り(300台)
TEL :0569-87-0050
キッチンカー・CoCo tacos
出店開始日:2024年8月24日(土)11:00〜日没まで
以降、11月下旬頃まで週4日間出店予定です。
※詳細はCoCo tacosインスタグラム参照
メニュー :プルドポークタコス 400円/P
ひき肉タコス 400円/P
ビール各種 500円〜
ノンアルコールビール 350円
※全て税込価格。金額は季節やイベント等により変更する可能性あり。
※タコスの販売は9/15からとなります。
CoCo tacos Instagram
現代版灯台守とは
現代版灯台守は海の安全を守る灯台守になぞらえて任命された、野間埼灯台と美浜町を盛り上げていくためにさまざまな活動に取り組む地域おこし隊。
東海市出身の仙敷裕也(せんしき ゆうや)さんと静岡県磐田市出身の佐々木美佳(ささき みか)さんのカップルが、約30名の応募者の中から選ばれて2023年11月から活動を行っている。
現代版灯台守 Instagram
野間埼灯台とは
野間埼灯台は1921年に建てられた愛知県最古の灯台。高さ18m、鉄筋コンクリート造りの中型灯台で、2008年には灯りのレンズがLEDに変更されている。
灯台前広場のモニュメント「絆の音色」に南京錠をかけ、「絆の鐘」を鳴らして永遠の愛を誓い合う恋人たちの聖地としても名高く、同町の恋の水神社とあわせてカップルからデートコースとして人気のスポット。
野間埼灯台
名称:野間埼灯台
住所:〒470-3236
知多郡美浜町小野浦岩成20-1
アクセス:知多半島道路「南知多IC」から車で約10分
駐車場:なし 近くに有料駐車場あり
お問合せ:あいち美浜町観光協会 0569-83-6660
【ハートの南京錠】
販売箇所:あいち美浜町観光協会
食と健康の館
南の島のカフェレストランTERRACE NOA NOA
販売価格:1,400円(税込)
【恋人証明書】
発行場所:あいち美浜町観光協会
発行時間:9:00~17:00(日曜・祝日休み)
料金:1,000円(税込)
野間埼灯台ポータル化実行委員会 概要
団体名称 :野間埼灯台ポータル化実行委員会
URL :https://nomasakitoudaimori.com/
活動内容 :2022年6月に愛知県知多郡美浜町の企業・自治体関係者らが集まり結成。愛知県民や観光客の来訪を増やし、灯台を継続的な地域観光ポータルとして知多半島エリアの活性化を目指す団体。
海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業
日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、⽇本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」。
その取り組みのひとつである「新たな灯台利活用モデル事業」は、灯台の様々な利活用モデルを創出することで、灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していくことを目的としています。
海と日本プロジェクト公式サイト https://uminohi.jp/
海と灯台プロジェクト公式サイト https://toudai.uminohi.jp/
野間埼灯台 & CoCo tacos フォトギャラリー
文・写真:金子修平(CHITAZINE)
取材協力:野間埼灯台ポータル化実行委員会